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2万年前の田名向原遺跡で旧石器時代の想像をふくらます [散策]

田名向原遺跡に行ってきた。相模原に2万年前の遺跡があると知ってから、いつか行こうと思っていた所。

2万年前というのは、土器が作られ始める縄文時代より前であり、氷期が終わって現在と同じ気候になる約1万年前より前の更新世の時代だ。日本では4万年前から人が住み始めたことが、発掘された石器によってわかっているという。

発掘された地域の一部が公園として整備されており、2万年前の建物跡などが復元されている。川原石が直径約10メートルの円形に囲まれ、12の柱穴や焚き火跡があることから、この頃から建物があったことがわかる。確実な建物跡としては日本列島最古とのこと。

目を引いたのは、ここで3000点もの石器が見つかっていることだ。全くの素人ながら、職人の作業場だったのではないかと思ってしまう。石器の材料には長野や伊豆の黒曜石が用いられていることから、交易が行われていたと想像するのに難くない。作った石器も取引していたのではないだろうか。石器は小さくて繊細なものだ。どの時代にも器用な人も不器用な人もいただろうと考えれば、当時の誰もが作ることができたと考える方が不自然だろう。石器職人あるいは部族の中の製作担当者がいたのではないかと想像をふくらましてしまう。

田名向原遺跡 (4).jpg

田名向原遺跡 (5).jpg
もうひとつ意外だったのは、この遺跡が相模川のすぐそばであること。縄文時代までは洪水のない台地が主な生活の場だったと思っていた。2万年前には相模川の川底も深くなって流域が安定したため、この地に人がやってきたらしい。

隣接する旧石器時代学習館では、住居状遺構の発掘状況や出土した400点の石器、当時の暮らしの様子の模型などを展示している。相模野台地の河岸段丘の形成も説明されており、結構見ごたえがあった。

今とは気候が違うし、生態も違うから、今までは旧石器時代にはあまり関心を持っていなかったが、少し興味がわいてきた。とはいえ、出てくるのは石器ばかりだから地味なんですよね。

<旧石器時代>
4万年前~    台形様石器、局部磨製石器
3万2000年前~ ナイフ形石器、剥片剥離技術、遺跡数急増
2万9000年前  姶良大噴火(関東地方で10cmの降灰)
2万2000年前  富士相模川火山泥流
2万年前~    尖頭器(主に中部、関東)
1万8000年前~ 細石刃
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